外壁塗装の「艶あり・艶消し」どちらが良い?耐用年数の違いとは

【更新日】2021/08/26【公開日】2021/08/23

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はじめに

外壁塗装で塗料を決める際、色選びで悩まれる方が多いと思います。また、次に悩まれることが多いのは「艶あり、艶消し塗料のどちらにするか」ではないでしょうか。

当社の実際のお客様の意見では「新築時のようにツヤのある外壁が良い」「ピカピカと光沢が目立つのが嫌で、マットな感じにしたい」という方がいました。

これについてどちらが良いかはお施主様次第となります。

しかし、外壁塗装についての本やネット記事では「艶なしよりも艶ありの方が耐用年数が長い」というのを見かけた方も多いかと思います。

それを聞いてしまうと、艶なしが良いと思っていた方はまた選択に悩んでしまいますよね。

本当に「艶消し塗料」よりも「艶あり塗料」の方が耐用年数が長いのか。また、その理由は何なのか。

この記事では「艶あり」と「艶なし」の特徴、メリットとデメリット、耐用年数の違いについて詳しく解説していきますので、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

※外壁塗装における艶とは、ピカピカと光沢が出ている塗料を「艶あり塗料」光沢がなく、しっとりとマットな質感の塗料が「艶なし塗料」と言います。

1,外壁塗装の艶あり・艶なしについての基礎知識

1-1,【外壁塗装における艶について】

まず、艶についての前提を簡単にご説明します。

現代では、何事にも定義付けをして基準を設定している傾向にありますが、実は外壁塗装においては「艶あり」「艶なし」の明確な基準と定義が存在していません。

業界では過去に一度、艶に関する定義を定めようとしたことがあるようですが、その定義が塗装職人の間でうまく浸透しなかったため、今現在でも明確な基準が定められずにいるようです。

この艶に関する定義がはっきりと定まっていませんが、艶ありの状態、艶なしの状態が大体こういうものだという目安はありますので、ご紹介させていただきます。

艶とは:物の滑らかな平面や曲面に浮かぶ、光の反射、または光沢のことです。

グロス値・艶の尺度図

外壁の艶の有無の尺度は、60度の角度から100%の光を当て、正反射した光が反対側に何%届いているかで決まります。

光が反射した強さを数値化したものをグロス値、または光沢度といいます。(ロス=光沢度)

尚、艶は全部で5段階存在しますので、名称とグロス値、特徴も踏まえて下記の表をご覧ください。

1-2,【艶の全5種類について】

名称

グロス値(光沢度)

特徴

ツヤあり 70%以上 光沢度70%以上の状態。塗ったあとはツヤツヤとした印象になる。
7分ツヤ 60%前後 曇りの日など、天候によりツヤがないように見える。
5分ツヤ 35%前後 半ツヤとも呼ばれていて、ツヤありツヤけしの中間度合いのツヤ感。
3分ツヤ 15%前後 ツヤ消し塗料にほんの少しだけツヤがある状態。天気の良い日に、見る角度でツヤが感じられる程度。
ツヤ消し 5%以下 ツヤが全くない状態。マット仕上げ、フラット仕上げとも呼ばれている。

名称の「7分ツヤ」や「5分ツヤ」という数字を見ると、7分ツヤは反射率が70%、5分ツヤは50%のように思ってしまう人が多いですが、実際にはその数値より低い値になります。

※「70%のグロス値」で塗装したものが経年劣化により艶が落ちてきたとしても、「60%のグロス値」とはなりません。名称も同じく「7分ツヤ→5分ツヤ」とは表現しません。

また、艶は全部で5段階ありますが、全ての塗料製品で選べるわけではありません。メーカーや塗料によっては「艶消し」がないものがあります。反対に「艶有り」がないものもあります。

ご希望の塗料製品がどのツヤを選択できるかは、各塗料製品のカタログやWebサイトで確認できます。

5段階のツヤ全て用意できる塗料は限られてきますので、塗料を検討される際はご注意ください。

1-3,【艶あり塗料と艶消し塗料の特徴】

  特徴 こんな人におすすめ
艶あり塗料

塗装後に艶が出る。

ツヤツヤとした質感になり、

塗装したという感じがよくわかる。

艶感が気にならない人。

耐久性を重視したい人。

艶消し塗料

艶感が出ない塗料。

マットな質感で落ち着いた雰囲気。

光沢を出したくない人。

現状がモルタル、ジョリパット

の外壁の人

2,艶あり艶なし塗料の耐用年数の関係性とは

このページの冒頭で記述していますが、外壁塗装の塗料では「艶なし」よりも「艶あり」の方が耐用年数が長いと言われています。果たしてそれは本当なのか。

また、なぜ「艶あり」の方が耐用年数が長いと言われているのか。

それにはさまざまな理由がありますので、ここで詳しくご紹介させていただきます。

2-1,【艶があるということは表面が滑らかである】

 

艶があるということは、表面が平らで滑らかということになります。

表面が滑らかである方が、砂ホコリや排ガスなどの物質が付着しにくくなり、それだけ汚れも溜まりにくくなります。

汚れが常時付着していると湿気などの水分も常時付着していることとなります。

それらが塗膜を劣化させる原因の一つであり、表面が滑らかであれば汚れが溜まりにくく、それだけ塗膜の寿命も長くなるということです。

艶あり塗料表面イメージ図

2-2,【「艶なし」より「艶あり」の方が耐久性が良い】

リシンなどの一部の吹き付け用塗料を除き、艶消し塗料のほとんどが、もともと艶のある塗料にフラットベースと呼ばれる艶消し材(調整剤)を混ぜることによって光沢を抑えるように調整されています。

このフラットベースが滑らかな表面に細かい凹凸を作り出し、光が乱反射して艶を鈍く見せています。

艶消し塗料の耐久性が劣るといわれている根本の原因はここにあります。

添加物のフラットベースを混ぜた分、艶がなくなる代わりに塗料の耐久性が落ちてしまうという事です。

何も混ぜていない純粋な塗料であれば元々の耐久性を発揮しますが、そこに艶を消すための薬剤を混ぜたことで、全体的に塗料としての耐久性は通常よりも劣ってしまいます。

そのため、耐久性のみを考慮するのであれば艶なしよりも艶ありを選ぶことをお勧めします。

現代の塗料は年々進化しており、艶消し塗料でも耐用年数が比較的長くなってはいますが、同じグレードの艶あり塗料と艶なし塗料を比較すれば、艶ありの方が耐久性が良いということは間違いありません。

 
艶を消せば消すほど添加剤の量は多くなり、それと同時に性能は下がってしまいます。
 
考え方としては、元々艶ありのの塗料に不純物を混ぜている分、保護機能成分が薄まるという事です。
 
艶あり塗料よりも艶なし塗料の方が耐久性が劣りますが、艶消しにしたからといってすぐに劣化が早まるわけではありません。
 
艶ありの方が撥水性が高いため、汚れにくくてカビやコケなども発生しにくい傾向にあるということですので、それを理解しておきましょう。
 

2-3,【艶あり・艶なしの耐用年数の比較】

艶あり塗装の耐用年数 +1.5年〜3年(艶消しと比較)
艶なし塗装の耐用年数 −1.5年〜3年(艶ありと比較)

艶あり塗装は艶消し塗装と比較すると耐用年数が1.5年〜3年程度長いと言われています。

一般的なシリコン塗料の期待耐用年数が約10年ですので、15%〜30%程度ほど異なるということです。

※外壁塗装は塗装する際の既存外壁の状態と環境条件で耐用年数が大きく変化します。

例えば、元々ひび割れが発生している外壁に塗装しても、期待の耐久性にはなりません。

3,艶あり塗料・艶なし塗料のメリットとデメリット

3-1,【艶あり塗料】

メリット

1,塗料本来の耐久性・耐候性が期待できる

2,汚れが付着しにくい

3,塗りたての光沢感が美しい

4,塗料の種類が豊富

デメリット

1,艶感は基本的に2〜3年で消える

2,外壁の種類によっては艶が目立ちすぎる

3,安っぽく見えることがある

4,光の加減により眩しく見える

3-2,【艶なし塗料】

メリット

1,経年による見た目や雰囲気の変化が少な

2,マットで自然な仕上がりに見える

3,モルタル等の外壁と相性が良い

4,日本風の家に合う

デメリット

1,汚れがつきやすい

2,艶有りよりも劣化が早い

3,塗料の種類・カラーが少ない

4,カラーによっては地味に見えることがある

ポイント

塗料は耐用年数を超えた瞬間からいきなり劣化するのではなく、時間の経過と共に毎年少しずつ劣化していきます。

艶に関しては、2年〜3年で消えてしまうため、艶の有り無しを選んだとしても、数年で艶は消えてしまいます。

また、上記のメリットやデメリットはあくまで一般的なものです。

「艶ありが安っぽく見える」「艶消しが地味に見える」などは個人の感性でもあります。本当にそう見えるのかは、ご自身で実物の家をみて、イメージを確認しておくことをお勧めします。

 

4,艶なしに対応しているかの確認方法

ここでは、艶なしに対応しているかの確認方法をご紹介いたします。

また、もともと艶消しの塗料であったり、艶ありから艶なしへ変更できる塗料もあります。

下記画像は、現在人気である日本ペイントのパーフェクトトップのカタログの仕様を参考にしました。

赤丸の中に記述されているように、「つや有り・7分つや有り・5分つや有り・3分つや有り・つや消し」に対応していることがわかります。

日本ペイント:パーフェクトトップPDF参照

4-1,【もとから艶消しの塗料】

  • 日本ペイント:インディフレシュセラ
  • 日本ペイント:水性ペリアート(多彩模様塗料)※3分艶のみ
  • SK化研    :エスケープレミアムマルチカラー(多彩模様塗料)
  • 日進産業  :ガイナ
  • 水谷ペイント:ナノコンポジットW

4-2,【艶ありだけど艶なしにも対応した塗料】

  • 日本ペイント:パーフェクトトップ(艶なし・3分艶・5分艶・7分艶・艶あり対応)
  • 日本ペイント:ファイン4Fセラミック(艶なし・3分艶・5分艶・7分艶・艶あり対応)
  • SK化研    :セラミシリコン(艶なし・3分艶・5分艶・艶あり対応)
  • SK化研    :プレミアムシリコン(艶なし・3分艶・5分艶・艶あり対応)

4-3,【艶消しのクリヤー塗装】

  • 日本ペイント:UVプロテクトクリヤー

クリヤー塗装は今まで艶消しというものがありませんでしたが、日本ペイントの「UVプロテクトクリヤー」に艶消しが新しく登場しました。クリヤー塗装を希望で、マットな仕上げにこだわりたい方はぜひおすすめです。

5,艶あり艶なしにおける塗料の選び方

5-1,【こだわりがない人は「艶あり」がおすすめ】

 

最初にもお話しましたが、艶の有無などはお施主様次第であるため、好みで選んでしまって良いと思います。

ですが、なかには「こだわりがないから、艶はどうでもいいよ」という方もいらっしゃるかと思います。

そんな方は、艶ありの塗料を選んでください。

理由としては、艶消し塗料は艶あり塗料に比べて耐久性が低い傾向にあります。

ですから、「艶の有無は気にしない」という方は、耐久性のみを考慮して艶あり塗料を選ぶことが無難となります。

5-2,【塗料選びで失敗しないために】

塗装業者に色見本を見せてもらったら、必ず“屋外”でサンプルの確認をしましょう。

室内の照明器具の下で照らされた色見本と屋外で実際の日光に照らされた色見本では、艶の感じや色味が全然違って見えます。

そのため、室内よりも屋外で色見本を確認をしたほうが、実際に塗装をしたものと、思っていたイメージがより近く見えます。必ず屋外で確認をしてください。

6,まとめ

  • 外壁塗装の艶とは、滑らかな平面や曲面に浮かぶ光の反射または光沢のこと。
  • 艶は全部で5段階「艶あり・7分艶・5分艶・3分艶・艶消し」がある。
  • 艶ありは艶なしよりも耐久性が1.5年〜3年程度長い。
  • 艶は2〜3年で消えてしまう。
  • 艶あり・艶なしはどちらも一長一短ある。
  • こだわりがなければ艶ありを選ぶ方がいい。

外壁塗装における艶あり塗装と艶なし塗装についてご紹介させていただきました。

「艶消し」は、艶感をおさえたマットな仕上がりになる塗料です。「艶あり」は塗りたての光沢感が出る塗料です。

そして、艶消しが耐久性が悪いと言われる理由は、艶あり塗料に不純物を混ぜているからです。

それに抵抗がある方は、もとから艶消しの塗料を選ぶのが良いです。

それぞれの性質には一長一短あります。せっかく高いお金を払って行う塗装工事ですので、「思ったのと少し違った」とならないように今回ご紹介した内容を確認しながら、艶ありと艶なしをご検討していただければ幸いです。

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