クリヤー塗装をサイディングに!
耐候年数比較

【更新日】2023/09/11【公開日】2020/05/11

はじめに

外壁の塗り替えを検討した際に、『今の外壁のデザインが好き』『できることなら外壁模様を塗りつぶしたくない』とお考えの方も多いのではないでしょうか。

そのような場合におすすめなのが、無色で透明のクリヤー塗装です

クリヤー塗装は色が付いている塗装とは異なり、外壁の風合いや元のデザインを変えることなく塗装を行えクリヤー塗装は、近年人気が出てきている塗装方法です。

しかし、クリヤー塗装は外壁によって向き不向きな場合があり、全ての外壁材に使用できるわけではありません。

ここでは、どのような外壁にクリヤー塗装が適しているのか。また、注意すべき点や事前に知っておくべきこと、クリヤー塗装の種類やメリット・デメリットなどをご説明いたします。

※正式名称は、『クリアー塗装』ではありません。『クリヤー塗装』です。(関西ペイント参照)

1.クリヤー塗装とは

クリヤー塗装とは、無色透明な塗料を使用した塗装のことです。色付き塗料とは異なり、色の基である顔料が含まれない透明の塗料となります。

通常の塗料には顔料が含まれていますが、クリヤー塗装には顔料が含まれていません。そのため無色であり、つや出しや、保護コーティングとしての役割に特化した塗料となります。

1-1.クリヤー塗装が可能な条件3つ
  • ①新築から10年未満であること。
  • ②外壁表面の劣化、汚れ、傷が少ないこと。
  • ③ダブルトーン工法などの仕上げ塗装。

上記3つの条件であれば、クリヤー塗装が可能です。

①外壁が綺麗な状態で塗装することにより美観性のあるクリヤー塗装になります。塗り替えの目安は約7~8年程度で行うことをおすすめします。

②外壁面に傷跡や汚れがあると、そのまま見えてしまうので見映えが非常に悪くなってしまいます。そのため、クリヤー塗装は劣化のない外壁に適しており、劣化が起きる前に塗装を行うことがポイントとなります。

③ダブルトーン塗装などのデザイン性に特化した塗装工法の仕上げ塗装として用いることで、より保護力を向上させることができます。

1-2.クリヤー塗装ができない外壁

新築時から表面コーティングを施されているものはクリヤー塗装が効かないです。

近年、住宅のサイディングにも難付着サイディング(光触媒、親水性、無機塗料、フッ素塗料)などでコーティングされたものが増えて来ました。

これらのサイディングはコーティングの相性が悪く、クリヤー塗料が密着しません。理由としてはコーティングが特殊であるため、上からクリヤー塗装を行っても数年後に剥がれてしまいます。また、外壁材メーカーのカタログにも『クリヤー塗装をしてはいけないと書かれている場合もありますので、注意が必要です

特殊コーティング塗料の見分け方は、新築後10年以上経過しても新築時と変わらないツヤや光沢を保っていることが多いです。また、外壁を手で触った時にチョーキング(粉吹き現象)が起こりません。サイディングにクリヤー塗装する際は注意をして、信頼できる業者にみてもらうことをおすすめします。

『クリヤー塗装ができない外壁、でも一色単の塗装は嫌だ』という人は下記塗装工法がおすすめ

→ダブルトーン塗装について

→多彩模様塗料について

2.クリヤー塗装の特徴

クリヤー塗装の主な特徴として、現状の外壁の風合いや意匠性、デザインなどを維持できます。

ゆえに、レンガ・タイル・石目などの意匠性の高いサイディングをはじめ、モルタル・タイル・コンクリートなどの外壁におすすめの塗装方法となります。

クリヤー塗装についての主な特徴、メリットとデメリットについてご紹介致します。

2-1.クリヤー塗装のメリット
外壁デザインを活かせる

現状のサイディング壁のデザインを保ったまま塗装を行えることです。

新築時に購入したサイディング壁のタイルやデザインにこだわりのある方には、最大のメリットとなります。

工期が短い

一般的な塗装工程は「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3回塗りが標準とされています。

一方、クリヤー塗装の場合は下塗りを行わない2層工程となっています。
1層目のクリヤー塗料の乾燥後、2層目のクリヤー塗料で上塗りを行い、完成となります。
塗料の使用料や塗装回数が少なくなるため、通常の塗装よりも工期が短くなります。

シーリングの上に塗装しなくて良い

一般的な塗装の場合はシーリングを施工してから塗装をするため、シーリングも外壁と同じ色になります。しかし、クリヤー塗装の場合はシーリングを後打ちとし、上から塗装をしないため、シーリングをデザインとして活かすことが可能です。

チョーキングが発生しない

チョーキングとは、塗料の劣化により顔料がチョークの粉のように外壁表面に現れる事象です。一方、クリヤー塗料には顔料が含まれていません。そのため、塗料が劣化してもチョーキング現象が発生せずに済みます。

2-2.クリヤー塗装のデメリット
サイディング壁以外の外壁にはおすすめできない

チョーキングが既に発生しているサイディング壁やALC壁、モルタル壁にはおすすめできません。

上記の状態は、下地の状態が悪い場合が多いです。「ひび割れ」や、「白い粉」などの現象はクリヤー塗料では隠せません。こういった場合は、通常の着色塗料を使用することをおすすめします。

2回目の塗装が難しい

クリヤー塗装を行った場合、クリヤーの塗膜が完全に落ちきるまで2回目の塗装は使用できません

理由としては、塗膜のコーティング効果が強く、塗料が密着しないためです

どうしても塗る場合には、再度クリヤーでの塗装、あるいは既存のクリヤーを剥がしてから塗装する必要があります。また、フッ素や光触媒などの特殊コーティングがされた外壁材にも、上記と同様の理由でクリヤーが塗装できません。

シーリングが必ず後打ちになる

クリヤー塗装の塗装工程は「外壁塗装→シーリング打設」の順番になります。そのため、必ずシーリング部分が露出します。通常の顔料塗装であれば「シーリング打設→外壁塗装」のため、シーリングを塗膜で覆うことができます。工程が逆になる理由としては、クリヤー塗装とシーリングの相性が悪いため密着しません。そのため数年で剥がれてしまいます

3.クリヤー塗装の種類

色付き塗料と同様に、クリヤー塗料にも種類があります。主に、アクリル系・ウレタン系・シリコン系・フッ素系が存在します。こちらも、耐用年数が長いほど価格が高くなっています。また、近年では無機クリヤー塗料と呼ばれる製品も登場しました。他塗料よりも火災に強く耐汚染性がフッ素塗料よりも優れています。

下記に耐候年数を参考に、お住まいに合った塗料グレードを検討してみてください。

3-1.クリヤー塗装のグレード表

 

種類・グレード   耐用年数     価格(㎡)合計単価
アクリル(クリヤー) 約5〜7年 1,400〜1,600円
ウレタン(クリヤー) 約8〜10年 1,700〜2,200円
シリコン(クリヤー) 約10〜12年 2,300〜3,000円
フッ素(クリヤー) 約15〜20年 3,800〜4,800円

※地域により価格は変動する可能性があります。価格単価は目安です。

前文にも記載してありますが、上記以外にも特殊な塗料が存在します。耐候性の高い「無機クリヤー」塗料や、紫外線による劣化を防ぐUVプロテクト機能が付いた塗料などです。

また、クリヤー塗料に限ったことではないですが、扱い易く安価な「水溶性」、耐久性の高い「油性」の2種類があります。
ご自宅の外壁に適切な塗料選びが一番重要です。信頼できる業者に相談して決めることをおすすめ致します。

3-2.よく使われるクリヤー塗料

様々なクリヤー塗料がありますが、塗装業界で最も良く使われる塗料をご紹介致します。

UVプロテクトクリヤー(日本ペイント)

紫外線を吸収する効果が含まれているタイプのクリヤー塗料です。人体に塗る日焼け止めのように、紫外線を吸収する効果があります。聞いたことがある方もいると思いますが、いわゆる『UVカット』です。この機能により外壁をより長持ちさせます。

通常のクリヤー塗り回数は下塗り・中塗り・上塗りの合計3回ですが、UVプロテクトクリヤーは中・上塗りの合計2回塗りで完成します。

SKシリコンクリヤーW(エスケー化研)

こちらはアクリルシリコン樹脂を主成分としているため、従来のアクリル系やポリウレタン系の塗料よりも耐久性が高い塗料になります。また更に、紫外線吸収剤と光安定剤(光酸化で起こる塗膜劣化を防止する剤)を混合しており、より強力な耐候性をもつ塗料です。
また、一液タイプなので使いやすく、サイディングへの密着性も優れていることが特徴です。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。

この記事ではクリヤー塗装についての情報をまとめました。

  • クリヤー塗装とは、外壁のデザインやカラーを損なわず保護できる塗装方法です。
  • クリヤー塗装を行うことで、10年前後は紫外線や汚れから建物を保護することができます。
  • クリヤー塗装を行うときは、ひび割れや汚れがないうちに塗装しましょう。
  • 光触媒などの特殊コーティングがされているサイディングにはクリヤー塗装できません。
  • クリヤー塗料をする前に、ご自宅の外壁に施工できるかどうか、信頼できる塗装屋さんに見てもらいましょう。

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